開催日:2024年6月8日(土)
狛江市指定管理者地域貢献事業にて、『スポーツと貧血』と『女性アスリートの三主徴』に関する無料講演会を開催しました。
会場:狛江市民総合体育館
🔳参加者の声と講師アドバイスをご紹介します。
40代 女性 バドミントン指導者
競技の特性上、体育館のドアを閉めて練習を行うので、この時期からは生徒達も体力的に厳しくなってくる。毎年夏場に2~3名が体調不良を訴えて練習が出来ない状況になるのですが、今日の講演を聞いて、その大きな原因が分かり、対処方法も学んだので明日から実践したいと思います。
と、何かが吹っ切れたように話されていました。
講師アドバイス
最近では、体育館にエアコン設備が備わっている学校も多くなってきていますが、備わっていない場合は生徒達の体調変化に気を付けなければなりません。
バドミントンは風の影響を受けやすいスポーツなので体育館の全ての扉を閉め、送風機類も全て使わない環境下で練習をしていると聞いています。その為、汗の量も多くなることで鉄の排出も多くなります。
この状態を長く続けることで『貯蔵鉄欠乏』が起こりやすくなりますが、炭水化物量が多くバランスの良い食事を心掛けていれば予防になるでしょう。それでも体調が優れない場合はサプリメントなどで鉄分を補うことをおすすめします。体調不良が起こるもう一つの原因は熱射病です。
熱射病の代表的な現象は、顔が赤くなり、汗が出なくなります。
※初期症状では発汗していることもあります。
汗が出なくなると体温の熱放散が行えなくなるので、深部体温が下がらず体は危険な状態に移行し始めます。更に、熱痙攣が危険を示すサインで、放置することで意識障害になることもありますので、パフォーマンスが著しく低下している生徒には早めに対処することが大切です。
WBGT(暑さ指数:Wet Bulb Globe Temperature)を意識して、高温多湿な環境下では30分置きに塩分を含んだ水分を十分補給し、涼しい場所で風に当たりながら休憩を取り、体温を下げることが重要となります。
夏場、エアコンが無い室内でのトレーニングは短めの軽度にする、また屋外トレーニングも軽度は勿論ですが、休息を日陰や風通しの良い環境で頻回にとることが重要です。
WBGT環境が良くない状況では、そもそも良好なパフォーマンスを維持できないことに留意する必要があることもご理解ください。
また、指導者側が注意することは当然ですが、生徒達本人が相談しやすい環境をつくることが最も大切です。 食事による改善が大切ですが、症状が良くならない場合は医師に相談することをオススメします。講演会の依頼に関して、ご興味・ご質問がある方は、お問い合わせください。
🔳講演テーマ
➀スポーツと貧血・女性アスリートの三主徴
➁産前産後のマタニティケア
➂鉄欠乏と赤ちゃん
➃鉄欠乏と心の不調
➄暑さ指数と教育現場の熱中症
➅鉄欠乏と美容(準備中)
🔳藤永製薬株式会社 開発部 吉田
03-4533-1104